エンゼルケアを行うのに特別な資格などは必要ありません。亡くなった患者さんが葬儀社に引き継がれるまでの間に、誰でも処置を行うことが可能です。一般的には看護師が処置するほか、葬儀社のスタッフが担当することもあります。
ただし、エンゼルケアの技術は人によって習熟度合いが大きく異なり、慣れていてスムーズにできる人もいれば、なかなかうまくできない人もいます。
また、ケアの仕上がりにも影響します。エンゼルケアにはご遺族の気持ちを慰める意味合いもあります。その上で、できる限り自然に、生前の患者さんに近い姿に近づけるのは決して簡単なことではありません。

たとえば、傷口がある場合は目立たないようにメイクを施したり、血液などが漏れてこないようにしたり、手足の体勢や表情を整えたり、気を配りながらさまざまな部分を丁寧に仕上げる必要があります。病院によってエンゼルケアをどこまで行うかという線引きは異なりますが、遺族や患者さんの気持ちを考え、心を込めた処置を行わなければならないことは言うまでもないでしょう。

エンゼルケアの知識や技術を向上させたい場合は、セミナーや講習会などに参加するという方法があります。基本的な処置の仕方やきれいに体を整えるためのポイント、エンゼルメイクの仕方など、幅広い知識・スキルを身に付けることができます。病院や福祉施設、セミナーの企画会社などで実施していることが多いので気になる方は探してみてはいかがでしょうか。また、看護師向けのエンゼルケアの基本知識を紹介しているサイトなどもあるので、まずは情報収集をはじめてみるのもおすすめです。