エンゼルケアでよくある問題として挙げられているのが、現場に出るまで実際に実習することができないために技術を身につけることが難しい点です。
エンゼルケアは看護学生が講義などで内容をある程度知ることができるものの、実際にケアを行うのは看護師として職場で働き始めてからになります。実習中に看護学生がエンゼルケアに当たることはほぼありませんし、死後処置なのでタイミングがぶつからなければ見学することもできません。そもそも見学も家族の同意が必要となるので、学生時代に見ることはほとんどないとされています。
そのため、エンゼルケアについて知識でしか知らないという看護師が多いので、実際に現場で働いてエンゼルケアを行うとなるとパニックになってしまう人も少なくないようです。特に、初めての職場が病棟以外だとエンゼルケアそのものを経験することが少ないですし、診療科目によっては亡くなる人自体が少ないので、エンゼルケアを実践したのは仕事を始めてから何年か経過した後だったという人もいます。
全く経験がないという人もブランクを抱えている看護師の中にはいますし、そうなるといきなりエンゼルケアを任されることに不安を感じる人も出てくるでしょう。
このような問題に対してのアドバイスとしては、定期的にエンゼルケアに関する研修やセミナーに参加したり、実際にエンゼルケアを行った経験のある看護師と情報共有するなど、自分の中の情報を常に更新しておくことです。
そうすることで実際にケアを行うときに知識を思い出しやすく、実践しやすくなります。